「ふるさときゃらばん」再発信のニュースがasahi.comに
「ふるきゃら」再発進 新作で全国巡る asahi.comから転載です。
http://mytown.asahi.com/tama/news.php?k_id=14000001004190003
小金井市を拠点に全国でミュージカルを上演し、今年2月に自己破産した「劇団ふるさときゃらばん」が「石塚事務所・新生ふるきゃら」として復活した。「何とか舞台を続けたい」という関係者の願いが実を結び、破産前からけいこを積んできた新作「トランクロードのかぐや姫」の公演で全国を巡っている。(松村康史)
小金井市本町にある築35年というマンションの地下。ドラムが刻むリズムに合わせ、10人ほどの役者たちが歌い、踊っていた。2月8日に劇団が自己破産を申請して閉鎖されたけいこ場は、再び活気を取り戻している。
「ふるさときゃらばん」は1983年の創立。脚本・演出家の石塚克彦さんらが全国を取材に歩き、社会的なテーマを題材にしたオリジナル作品を演じてきた。
田舎の選挙を描いた「ムラは3・3・7拍子」。バブル経済崩壊後を元気に生きる「サラリーマンの金メダル」。消防団活動を通じて地域社会を見つめた「地震カミナリ火事オヤジ」は、400回のロングランとなった。
しかし2008年初め、チーフプロデューサーのひらつか順子さんが「突然降ってわいた」と振り返る事件が起きた。国土交通省からの依頼で制作・上演した「みちぶしん」の予算が、道路特定財源から出されていたことが国会で「税金の無駄遣い」と非難されたのだ。
これを機にスポンサーを降りる企業が出始めた。同年秋のリーマンショックも追い打ちをかけ、企業主催の公演のキャンセルが相次いだ。団員の給料を半分にするなど合理化を進めたが、負債は6億円に膨らみ、自己破産した。
しかし、この時点で、すでに新作の公演日程が決まっていた。シャッター通りとなった商店街を舞台にした「トランクロードのかぐや姫」だ。
「何とかこの作品だけでもやりたかった。ここであきらめたら立ち直れないと思った」と、ひらつかさん。破産管財人と交渉し、音響・照明機材など最低限の資産譲渡を受けることができた。
「新生ふるきゃら」は、石塚さんの個人事務所所属の劇団という形で3月、かつての半分以下の37人で再スタートした。「トランクロードのかぐや姫」は福岡、山形、富山など7都県10都市で計11回の公演が決まり、初舞台となった同月16日の福岡公演には、四国や関西からもファンが駆けつけた。
都内では26日、北区の「北とぴあ」で公演がある。都内のファンは、「東京公演を成功させる会」を作ってチケット販売を手伝ってくれた。その一人、小金井市のラーメン店主飯島順勝さんは待ちきれず、3月に茨城県へ鑑賞に行った。「一人ひとりの顔が輝いていて感動した。これからも応援したい」
北区の公演のチケットは完売した。劇団は5月以降、態勢を立て直し、活動を続けることにしている。
http://mytown.asahi.com/tama/news.php?k_id=14000001004190003
小金井市を拠点に全国でミュージカルを上演し、今年2月に自己破産した「劇団ふるさときゃらばん」が「石塚事務所・新生ふるきゃら」として復活した。「何とか舞台を続けたい」という関係者の願いが実を結び、破産前からけいこを積んできた新作「トランクロードのかぐや姫」の公演で全国を巡っている。(松村康史)
小金井市本町にある築35年というマンションの地下。ドラムが刻むリズムに合わせ、10人ほどの役者たちが歌い、踊っていた。2月8日に劇団が自己破産を申請して閉鎖されたけいこ場は、再び活気を取り戻している。
「ふるさときゃらばん」は1983年の創立。脚本・演出家の石塚克彦さんらが全国を取材に歩き、社会的なテーマを題材にしたオリジナル作品を演じてきた。
田舎の選挙を描いた「ムラは3・3・7拍子」。バブル経済崩壊後を元気に生きる「サラリーマンの金メダル」。消防団活動を通じて地域社会を見つめた「地震カミナリ火事オヤジ」は、400回のロングランとなった。
しかし2008年初め、チーフプロデューサーのひらつか順子さんが「突然降ってわいた」と振り返る事件が起きた。国土交通省からの依頼で制作・上演した「みちぶしん」の予算が、道路特定財源から出されていたことが国会で「税金の無駄遣い」と非難されたのだ。
これを機にスポンサーを降りる企業が出始めた。同年秋のリーマンショックも追い打ちをかけ、企業主催の公演のキャンセルが相次いだ。団員の給料を半分にするなど合理化を進めたが、負債は6億円に膨らみ、自己破産した。
しかし、この時点で、すでに新作の公演日程が決まっていた。シャッター通りとなった商店街を舞台にした「トランクロードのかぐや姫」だ。
「何とかこの作品だけでもやりたかった。ここであきらめたら立ち直れないと思った」と、ひらつかさん。破産管財人と交渉し、音響・照明機材など最低限の資産譲渡を受けることができた。
「新生ふるきゃら」は、石塚さんの個人事務所所属の劇団という形で3月、かつての半分以下の37人で再スタートした。「トランクロードのかぐや姫」は福岡、山形、富山など7都県10都市で計11回の公演が決まり、初舞台となった同月16日の福岡公演には、四国や関西からもファンが駆けつけた。
都内では26日、北区の「北とぴあ」で公演がある。都内のファンは、「東京公演を成功させる会」を作ってチケット販売を手伝ってくれた。その一人、小金井市のラーメン店主飯島順勝さんは待ちきれず、3月に茨城県へ鑑賞に行った。「一人ひとりの顔が輝いていて感動した。これからも応援したい」
北区の公演のチケットは完売した。劇団は5月以降、態勢を立て直し、活動を続けることにしている。